独学でプログラムを学んでいる者は、基本的に自分で参考書等を購入して勉強していると思います。
しかし、プログラムの本はそれなりのお値段で、学生などにとっては結構な出費になると思います。
しかも、本屋に置いてあり中身を確認して買える本は新刊などの一部のタイトルに限られており、
対象が限られているようなマニアックな本や古い良書などは置かれておらず、
ネットなどで注文して買うしかなないと思います。そのため、事前に中身の判断が出来ず、
どのような本を買えばいいかわからないことも多いと思います。
そこで、ここでは私きこうもりが自ら購入した書籍について、私の主観ではありますが、
オススメ度などで評価をつけてながら紹介していきたいと思います。
書籍名 | オススメ度 | 対象レベル | 読みやすさ | ボリューム |
増補改訂版 Java言語で学ぶデザインパターン入門 | ||||
Javaゲームプログラミング アルゴリズムとフレームワーク | ||||
ゲームのアルゴリズム 思考ルーチンと物理シミュレーション | ||||
Delphiオブジェクト指向プログラミング | ||||
パターン指向リファクタリング入門 ソフトウエア設計を改善する27の作法 |
オブジェクト指向を学んでプログラムを書こうという人、勉強してみたはいいけど、
クラスって作るのめんどくさいし結局どうやって使うの?という人に、是非オススメしたいのがこの本です。 この本は、GoF(the Gang of Four)と呼ばれる4人の共著者(Erich Gamma, Richard Helm, Ralph Johnson, John Vlissides)が書いた 「Design Patterns : Elements of Reusable Object-Oriented Software」(訳本「オブジェクト指向における再利用のためのデザインパターン」) という本にまとめられているデザインパターンについて、1つずつわかりやすく具体的なソースコードも交えて解説している本です。 ただ単に原著を訳しただけではなく、日本語で日本人にわかりやすく丁寧に解説し、また新たに例を上げその使い方や使う場面などの説明も書かれています。 Java言語で学ぶと題されてる通りにサンプルコードなどはJavaで書かれていますが、 内容はJavaに特化しているわけでもないので、他のオブジェクト指向言語にも十分に転用できるでしょう。 Javaの基本的な文法さえわかれば、Java使いでなくてもそれほど問題なく読むことができると思います。 各章末にまとめがあったり、本当に理解させようという著者の想いが感じられる書籍になっていますので、 デザインパターン入門者にとって、デザインパターンを勉強するためのこれ以上の参考書はないと思います。 もしかしたら、ゲーム作るのにデザインパターンなんか勉強する必要あるのか?というような疑問がある方も居るかもしれませんが、 オブジェクト指向でプログラミングするなら、私は知っておいて損はないと思います。 デザインパターンは万能のクラスレシピというわけではありませんし、ある程度のパターンは自分で十分考え付く範囲のものもあります。 また、この本に上げられている23個のパターンすべてを自分のプログラミングに使えるというわけでもありません。 しかし、その中の半分くらいのパターンは実際によく使い、その有用性を確実に体感できると思います。 パターンはあくまでパターンで、そのままクラスにすることはできませんが、パターンを知ることによって自分でクラスを作る時に非常に役に立ちます。 もし、いままでにゲーム制作時のクラス設計で、具体的な対象(キャラクターやモンスターなど)1つ1つにクラスを作ったはいいけれど、 結局それらをどういう風に管理し、操作していけばいいのかわからなくなった、というような経験はないでしょうか。 そのような時にデザインパターンを使えば新しい考え方が見つかるかもしれません。 デザインパターンを学べば、個々のクラスの具体的なコードではなく、どのクラスにどのような働きを持たせるか、 そしてまた、その他のクラスとはどのような関係にするか、というような各クラスの役割分担や全体的な骨組みのような、 より大きな視野を持ってコードを書けるようになるでしょう。 (2007/8/19 コメント) |
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著者:結城 浩 発行:ソフトバンク パブリッシング株式会社(初版:2004年6月) 本体:484ページ 3800円(税別) |
ゲームを作る時にオブジェクト指向でどのようなクラスを設計し、どういう風にそれらを組み合わせ枠組みを作り上げるか、
といったかなり具体的なゲームの作り方が書かれている本です。 この本はJava言語での制作を前提にしているので理解するにはある程度のJavaの知識が必要になります。 また、Javaのシステム、言語仕様に特化した部分もまま見られますので、Java以外の言語を使用する場合、本書の内容を100%活かす事はできないかもしれません。 ただ、こういったゲームプログラミングの参考書のソースは、「使えない」ソースコード(説明するためだけの現実には使えないコード)であることが多く、 この本のように、実際に「使える」ソースコード(全体の流れや仕組みまで理解しやすいコード)を掲載している書籍というのはあまりありませんので、 多少使用言語が違っても、同じオブジェクト指向の言語を使用しているのであれば、一度読んでおいても損はないと思います。 続いて、具体的な本書の中身の方の解説に移ります。 サブタイトルに「アルゴリズムとフレームワーク」とありますが、前半の第1部「入門編」でそれらが解説されています。 ゲームのフレームワークの構成に必要な基本的な要素である、画像表示やサウンド、ゲームループなどのシステムについてのアルゴリズムが 一つずつサンプルソースを交えながら解説されています。 ただし、これはゲーム制作に必要になる基本的な部分をある程度網羅的に扱っており、 それらを本書の半分程度のページ数で説明しているため、 各項目ごとの説明、文章量は少なめになっており、本文を読んだだけでは多少理解しづらくなっている部分もあります。 しかし、一応付属のCDに各サンプルのソースコードはすべて入っているので、 本書のテキストだけでなく付属のソースコードを読み込むことでしっかりと理解することはできるようになっていると思います。 また、紙面上ではソースコードに対しての説明はそれほどされていませんが、ソースコードはかなり作りこまれており、 実践でも簡単なフリーゲーム程度ならそのまま流用できるレベルのものになっていますので、 いきなりフレームワークを自分では一から作れないというという方は、まずはこのソースコードを実際に使って見ることをオススメします。 このソースコードをいろいろ試しながら読み込んでいくことで、さまざまなものを自分の知識に取り込んで行くことができ、 次に自分でゲームを作る時に、オリジナルのフレームワークを組むことも出来るようになると思います。 次に後半の第2部「実践編」では、具体的にサンプルゲームを作りながらの説明になっています。 扱っているジャンルとしては、落ち物パズル、シューティング、戦略シミュレーション、ネットワーク対戦すごろくとなっており、 それぞれの内容は当然それぞれのゲームに特化した内容の説明に終始しいますが、各要素はそれなりにきちんとした( 見た目の部分はおいて置いて、あくまでゲーム的なシステムとして)ものになっているので、 これらのジャンルを作ってみるときには参考になるとおもいます。 また、扱っているジャンルのゲーム制作に興味がない人にとってはあまり役に立たない内容に映るかもしれませんが、 実際のゲームがどのような枠組み、フレームワークで組まれているかということは読み取ることが出来ますので、 それを読み取るだけでも本書の価値は十分あると思います。 (2007/8/23 コメント) |
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著者:長久 勝 発行:ソフトバンク パブリッシング株式会社(初版:2004年3月) 本体:339ページ 2600円(税別) |
具体的なアルゴリズムの解説というよりは、ゲームを作っていく上での考え方やモノの見方について書かれた本。 ある種のトピックス集として読むこともできるかもしれません。 (2011/01/19 コメント) |
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著者:ねおだ如 発行:ソフトバンククリエイティブ株式会社(初版:2006年6月) 本体:361ページ 2600円(税別) |
Delphiを使ってプログラミングするなら、とりあえず読んでおいて損はない本。 オブジェクト指向への流れから理解することができます。 (2007/8/21 コメント) |
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著者:塚越 一雄 発行:株式会社技術評論社(初版:1997年4月) 本体:269ページ 1980円(税別) |
どうやったら設計なんてできるんだ、先を見通せる千里眼が欲しいとか思ったことのあるあなたにオススメ。 最初から綺麗に出来ている必要なんてないんだということがわかる、目からウロコな一冊です。 (2007/8/21 コメント) |
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著者:ジョシュア・ケリーエブシキー 監訳者:ウルシステムズ 小黒 直樹、村上 歴、高橋 一成 訳者:越智 典子 発行:日経BP社(初版:2005年8月) 本体:381ページ 4000円(税別) |